20210110

二日酔いを引きずりながら友人と毎月している読書会と銘打った本交換会に行った。毎回自分では選ばない本が並ぶそのランダム性が楽しい。でもその後のみんなとの対話は何より楽しい。伊藤亜紗さんが「会話はキャッチボールというより、玉入れのようなものだ」と言っていて、今日もいい玉がたくさん入っていった。セルフラブを保つために友人とどう付き合うか。あと自分のいる環境一つ一つをバブルとして解釈する話がおもしろかった。こういうときに具体で思い出しきれない記憶の薄弱さと、あのラブなバイブスを言語化できない自分がもどかしいけどつまり今日も最高だった。

その後、友人と合致して新宿でぶらぶらした。同じタイミングで上京したその友人はなんだかんだあり来月奈良に戻る。20時ごろ改札前で解散するその刹那、マスク越しの相手の表情が少し揺れたような気がした。だけどなんだか気恥ずかしくていつも通り、またね〜ばいばい〜気をつけて〜などと言ってなにも気づいていないふりをして別れた。もう会えないわけでは決してないが東京で会うのはきっと最後になる。変わらない関係の中でも文脈によって生まれる別れのようなものが苦手だ。相手の寂しい感情に応えられない気がしてしまうのと、自分のリアクションがズレてしまったときにその寂しさに薪をくべてしまうのではと不安になる。物理的距離は私たちの心の距離を遠ざけないと信じたい。不可逆な人生において、あの頃もっと遊んでいたらよかったねなどと後悔しないで済むように一人一人との時間を大切にしたいと思う。