20220103

今日もよく寝た。夜行バスで帰るので昼寝をすると夜寝られなくなってしまうとわかっていたが、襲う眠気に抗うことができず2時間は寝た。

年末年始は3冊の本を読むことができた。長らく積読になっていた「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」をようやく読むことができた。とても素晴らしい本だった。イギリスに住む家族の話なのだが多くのテーマ、問題提起を易しく温かい文章で綴られていた。

誰かの靴を履いてみることという章では“エンパシーとは何か”を知った。エンパシーとは他人の感情や経験などを理解する能力とあり、シンパシーが共感や感情を指して使われることに比して、エンパシーは能力であると言う。

イギリスは緊縮財政により格差が拡大し、本の中でも階級社会という言葉と、階級による思想や選択の違いが記されていた。日本では一億総中流といわれ、個人的にも階級差が生活の中で顕在化されている印象は持っていない。しかしどうだろう。私は関西の私大を卒業し、初任給360万円の東京の会社に就職。運もありいくらか昇給し、1人で暮らすには困らない程度のお金をもらっている。今は社長室という部署にいて、資本主義の覇者である社長と行動を共にすることも多く、上流階級の暮らしを垣間見ることも増えた。そうした日々の中で知らず知らず内面化されていく感覚や思想があるのだということにはこの帰省のときに気づいた。奈良で電車に乗っているとき、スーパーで、1時間200円でビリヤードができる24時間空いている娯楽施設にいる人を見かけたときに私の中から立ち上がった感覚はどうだっただろう。エンパシーとはほど遠い情けない感覚であった。自身の環境を俯瞰して、自分が持っているバイアスに気付くこと。相手の靴を履いて世界を見る能力を養いたいと思った。