20220101

 

実家はなぜこんなにも寝られるのか。

東京の一人暮らしの家では、ラジオのスリープタイマーを15分に設定して目を閉じるが、寝付けずに延長することも多い。

平日はアラームが鳴っても始業にギリギリ間に合う時間まで浅い睡眠を続けて重い身体を起こしている。

それに比べて、実家は入眠速度も眠りの深さも段違いである。そうした眠りを経て目覚めるととても幸せな気持ちになっている。

一階のリビングに降りるとごはんがたくさん準備されていてつまみ食いをしてしまう。母親からこら〜と一切怒気のない怒声が届くが気にせず食べる。

冷蔵庫を開けばだいたいなんでもある。昔までは紙パックの飲み物を口をつけてそのまま飲んでいたがご時世もご時世なのでコップに入れて飲んでいる。

リビングにはもちろんこたつがあるが、なぜか低い温度に設定することを好む両親と温度バトルを繰り広げる。だいたいは勝つ。勝たせてもらっていることはわかっている。

テレビはずっとついていてリモコンは父親の手元にある。ドラマかバラエティ番組が流れていて母親と父親はテレビに向かってなんだかんだ言っているまさにお茶の間という空気感だ。

私は座椅子にほぼ水平の体勢でもたれかかりながら適当に反応をする。

そうしただらっとした雰囲気にいるとさっきまで寝ていたのにまた眠くなってくるし、多分またぐっすり寝れると思う。

実家がよく寝れる理由は考えるまでもなく実感をもってわかっている。